トレジャーデータ事例集 3.「ECログ分析」
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*トレジャーデータはデータ収集、保存、分析のためのエンドツーエンドでサポートされたクラウドサービスです。
本シリーズは,紹介する3つの分野における事例を通してトレジャーデータサービスを深く理解してもらえる事を目的としています。
- (事例1)「オンラインゲームソリューション (a) (b)」
- (事例2)「モダンWebアナリティクス」
- (事例3)「ECログ分析」
大量のデータを分析できるようになったことの大きな恩恵として「パス」や「セグメント」を柔軟に設定できる事が挙げられます。従来パスやセグメントは,その組み合わせが無数にあるために,データ量が多くないと各々のサンプル数が0になってしまい有意な比較が行えませんでした。大量データを現実時間で実行できるトレジャーデータサービスは,これらの分析を可能にしました。
今回は c.「セグメント分析」をとりあげたECログの分析事例を紹介します。
セグメント分析
ECサイトは,ユーザー情報が付与された購買ログなどを取得できる点ではWebアナリティクスよりもリッチな分析が可能になります。ECサイトにおける分析ではユーザーの特徴によってセグメントに分けた上で,各々のセグメントに効果的な方法を得るためのセグメント分析がよく行われます。
ただしセグメントといっても,多くの場合はユーザーの登録情報に基づく「年齢」や「性別」といった単純なセグメントでしか見ていませんでした。
しかしユーザー毎のログが取得できるようになれば,例えば「月間購買額」「月間訪問回数」など,ユーザーの行動に基づいた視点でのセグメント分析を可能にしてくれます。
もちろんセグメントは単一で参照するだけでなく,複数のセグメントをクロスして見る事も可能です。「RFM分析」と呼ばれる手法は,Recency(直近のアクセス日), Frequency(訪問頻度), Monetary(購買額) の中から2つのセグメントを選んでウォッチするというものです。これによって例えば,
- 「F: 高頻度で訪問してくれる」のに,「M: 月間購買額は低い」というセグメントの人数がどれくらいかを知り,そこに購買額向上に向けた施策を打つ
- 「R: キャンペーン期間中に訪問してくれた」ユーザーにおける「M: 購買額」の分布はどのようになっているのかの効果検証
といったより踏み込んだ知見を得ることが可能になってきました。
しかしながら従来の分析においては,
- 「データ量が少ない」→「セグメントにわけると各々のサンプルが疎(少数すぎて信頼性に欠ける)になってしまう。」
- 「UIやソフトでの制約がある」→「例えば月額課金セグメントを5,000円ずつに区分したいのに1,000円ごとにしか区切れない」
といった悩みもありました。特に後者の柔軟性に欠ける点は,意味のあるセグメントを作る際には悩ましいものでした。
トレジャーデータサービスでは,生ログに対して集計をかけることが可能(UIやソフトの制約を受けないので)であることにより,自由なセグメントの組み合わせが可能になり,各々のセグメントの区分も柔軟に行えるようになりました。さらに大量データを扱う事によってサンプル数も疎にならなくてすみます。
柔軟なセグメント分析を行えることは,リコメンデーションに対しても活用する事が可能です。従来では,あるユーザーが商品1を買ったときには,その商品を買った人の過去の購買履歴に含まれやすい商品を推奨していました。
ここでセグメントを活かすなら,同じ商品を買ったユーザーの中でも特徴(セグメント:月間購入額や興味あるジャンル,訪問回数など)が類似しているユーザーに絞ったリコメンドが可能になります。これによって推奨された商品はより効果的であるはずです。
ここで紹介した事例と分析の視点は,他の多くの分野にも応用可能ですので,是非ともご自身のデータ・課題に照らし合わせて見て下さい。新しい発見があるはずです。
トレジャーデータに関するお問い合わせは support@treasure-data.com まで。