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データ分析で大切な4つのこと:1. 「当たり前の結果」をたくさん出す事の大切さ

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データ分析で大切な4つのこと

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ここ数年,データの大量な蓄積とそれに対する分散並列処理が可能な環境が成熟してきました。元々はデータの蓄積やバッチの効率化といった分析バックエンド(プラットフォーム)の方にフォーカスがあてられてきましたが,やっとその先のデータ」「分析」というところ,そしてその役割を果たすデータ分析者の重要性が理解されるようになってきているように感じています。

このブームは分析者にとって非常に喜ばしいことでもあると同時に,大きなプレッシャーにもなっているような気がします。

そのプレッシャーの1つに,企画者や経営者・あるいは顧客といった結果を活用する人々(=意志決定者)の,「これだけ材料(データ)が揃っているのだから多くの課題が解決できるはずだ」という期待に応えないといけないというプレッシャーがあると思います。

しかし現実には,いくら大量のデータが揃っていたとしても,経営が一気に改善できるようなエクセレントな結果をすぐにもたらすのは非常に難しいと思っています。逆にデータ量が増えて様々な要因が複雑に絡みあって,何も見えてこない状況に陥ることもあります。

もちろん分析者の使命は「データから経営クリティカルな改善結果をもたらし続けること」であるのでこのプレッシャーから目を背けるわけにはいきません。今日はそんな状況の中で分析者は日々どういう立ち位置で,どういう結果を出していけば良いのかについて私が大切にしている事を4つお話したいと思います。

また,これに関する過去のエントリーも併せてご参照下さい。


1. 「当たり前の結果」をたくさん出す事の大切さ

私はデータ分析において,「当たり前の事をきっちりやる・当たり前の結果をたくさん出す」事は非常に重要な事だと感じています。ただし解析者という専門的な立場である以上,「何も有意な結果が出てこなかった」「当たり前の結果しか出てこなかった」というわけにはいきません。中には常に「何か新しい発見をしないといけない」という焦燥感にとらわれながら仕事をしている人もいるかもしれません。

しかし私は「意味のある・新しい発見」をもたらすためには「当たり前の結果」を積み重ねることが大前提で,その事をもっと意識して解析をすることがとても重要だと考えています。

その当たり前は本当に当たり前なのか

そもそも「当たり前の結果」というのは誰にとって当たり前なのでしょうか?私たち分析者の考える当たり前と,意志決定者の考える当たり前は本当に同じなのでしょうか?私の経験から思うことは,

「分析者の考える当たり前の半分は意志決定者にとって当たり前ではなく,またその逆もしかり」

という事です。当たり前と思っていた結果しか出なかったものを申し訳なさげに見せると「へぇ,意外に××なんだ,面白い」という反応が返ってきたり,逆に新しい結果が出たと思って自信ありげに見せると,「やっぱり」「そりゃそうだよ」といった反応が返ってくることは実は良くあります。

つまり分析者がたいした事の無いと思っている結果が実は意志決定者にはとても貴重な情報となる事が多数あるということです。しかし実際は分析者はそういった結果を出す事に注目を置いていないために,多くの意志決定者にとって重要な結果があまりもたされないといった現状に陥ってしまいがちです。

だから私は「当たり前の結果をたくさん出していこう」という意識を強く持つことはとても重要なことだと思っています。具体的にどうするかというと,できるだけたくさんのデータを出してあげること・しかもわかりやすい表やグラフの形でたくさん出してあげることだと思います。そして何度もその共有を意志決定者と繰り返します。その共有を繰り返すことで相手が何を求めているのか,どういう結果に意味のあるのかがだんだん見えてくると思います。それこそが意味のある有意な結果をもたらす第一歩になると思います。

本当に当たり前の結果を与えることも実は大切

また本当に当たり前の結果,つまり意志決定者が「やっぱりそうか」という結果には意味が無いのかといえば,決してそんな事はありません。意志決定者が頭の中で感じている事を数値やグラフで裏付けてやるという事はとてもとても意味のあることです。自分の考えている事の正しさがきっちりと検証される事によって得られる安心感と自信は想像以上に大きなものです。そしてそれが次の意志決定の確信度をどんどん高めていきます。相手に安心感を与えてあげるのも僕たちの大きな仕事だと感じています。

「当たり前の繰り返し」が新しい発見を生み出す

私は新しい発見というのは,この「当たり前の繰り返し」サイクルの中で初めて産まれてくるものであると確信しています。意思決定者のそうしたひらめきや仮説は,過去の

たくさんの当たり前の結果から裏付けられるのです。

まとめ

難しいことをやろうとして頭を悩まし,手が止まってしまうよりは,小さな当たり前の分析結果をわかりやすい形で提示して行く方が有意義だと思いませんか?そして結局のところ,新しい発見や経営クリティカルな結果というのはそういった事の繰り返しの上に生まれてくるものでは無いでしょうか?

 

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