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(2015年予測編:IoT)キーワードは「テレマティクス」。自動車の運転ログからあらゆるマーケティングへの活用が進む(事例編1)

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はじめに

トレジャーデータはクラウドでデータマネージメントサービスを提供しています。

 

前回の記事で,テレマティクスとは何か,どのような活用ができるか,などといったテレマティクスのもつポテンシャルを知っていただけたと思います。
ここではさらに,具体的な分析結果を見ながら理解を深めてもらうことを目的としています。
また,2015年1月9日付の日経産業新聞にも,トレジャーデータとパイオニアとの提携の内容が大きく取り上げられました。

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テレマティクス業界の最先端をいくトレジャーデータの実力をご覧ください。今回から3回に分けて次の事例を紹介していきます。今回は,事例1を取り上げます。

  • (事例1)運転者の行動分析
  • (事例2)実測値に基づくコンディションの把握
  • (事例3)メンテナンス時期の把握
  • (事例4)燃費と外部要素の関連性
  • (事例5)保険料見積もりへの応用

(事例1)運転者の行動分析

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テレマティクスデータを,個々のユーザーに関して集計すれば,ユーザーごとの使用用途や運転特性などを知ることができます。上図でいうと,右方向:時間軸の分析です。

1. 曜日別の利用状況 

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上のレーダーチャートは,ある特定のユーザーに関して,曜日別の乗車回数を図にしたものです。ここからわかるのは,日曜日以外はほぼ均等に車を利用しているということです。これより,このユーザーの利用状況を「通勤」または「法人車両」とカテゴライズできます。

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さらに利用状況を月単位で区切って重ねて見ていきます。月という大きな時間軸で見ても,日曜日の利用頻度は増えていないことは明らかです。直近7月(いちばん手前の黄色のレーダーチャート)と初月2月(いちばん奥の茶色のレーダーチャート)を比較すると,平日の利用頻度が直近では少なくなっていることがわかります。

2. 1日当たりの走行距離分布

さらに特定のユーザーの,1日当たりの走行距離の分布を見ていきます。ユーザーの分類として先ほどは「個人 or 法人」「通勤 or レジャー」で見ていましたが,今回は「1日の走行距離」で見ていきます。

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上図は,1日当たりの走行距離の分布を見るためのヒストグラムです。40km/日がいちばん多く,その周辺も多くなっています。

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上図は,1日当たりの走行距離の分布の月での時間遷移を見たものです。5月だけは距離の多い方に分布が寄っていますが,それ以外の月はほぼ同じ形の分布をしており,車両の利用のされ方には変化がないことがわかります。

3. 電気自動車への置き換え需要の調査

前述のユーザーごとの車両の利用状況を分類・集約することによって,電気自動車普及に向けたマーケティング戦略を練ることが可能です。

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上図は都道府県別に,1回の走行距離が20km未満(これを「電気自動車での走行でも不便のない距離」とします)の車両の数を集計したものです。これを,より詳細なエリア別に見ることによって,電気自動車に置き換え可能なエリアを選別することができます。

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