(2015年予測編:IoT)キーワードは「テレマティクス」。自動車の運転ログからあらゆるマーケティングへの活用が進む(事例編2)
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はじめに
トレジャーデータはクラウドでデータマネージメントサービスを提供しています。
具体的な分析結果を見ながらテレマティクスのもつポテンシャルを3回に分けて解説しています。今回は,事例2について紹介します。
(本ブログに掲載しているデータはブログ用のサンプルデータで、実際のデータとは異なります。)
- (事例1)運転者の行動分析
- (事例2)実測値に基づくコンディションの把握
- (事例3)メンテナンス時期の把握
- (事例4)燃費と外部要素の関連性
- (事例5)保険料見積もりへの応用
(事例2)実測値に基づくコンディションの把握
〜カタログ値によらない、実値に基づくコンディション分析〜
1. 平均燃費の分布
今回は,類似・同一車両を軸にした分析を行います。同一車両の「実地」に基づくスペックは,カタログ値とは大きく異なることが見えてきます。
上のヒストグラムは,ある車両Xをもつユーザーの平均燃費を集めて分布を見たものです。 9km/Lを頂点にした,なだらかな山となっています。これは,この車両Xが,ばらつきなく9km/L周辺に集まる(燃費が安定している)ことを示しています。逆に,このようなきれいな山にならない分布の形をもった車両は,「ユーザー」や「車両コンディション」の影響を大きく受けて燃費が変わる(燃費が不安定である)ことがわかります。
2. エンジン回転数の分布
エンジンの回転数もまた,車両のコンディションを知るのに有効な指標です。ここでは,ある車両Xのアイドル時のエンジン回転数の分布を見てみます。
この車両のアイドル時のエンジン回転数は,900〜1100の間で安定しています。もし,このエンジン回転数の分布のばらつきが大きい車両は要注意となります。また,一般的にエンジン回転数が,時間および距離を追うごとに大きくなっていく(=コンディション悪化)という前提をもつとすれば,このエンジン回転数の分布を月ごと(または走行距離ごと)に見ていくのが有効です。
上図より,月を追うごとにエンジン回転数の分布が大きい方に偏っていっている傾向が見られます。
3. 冷却水温の分布
エンジン回転数と同様に,冷却水温の分布もまた,コンディションを把握する材料となります。