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「マーケティングオートメーションとは」その2〜1つのプログラムを回してみよう〜

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はじめに

トレジャーデータはクラウドでデータマネージメントサービスを提供しています。

 

前回では「マーケティングオートメーションツール」がマーケッター自身がエンジニアや分析者の手をできるだけ借りずに,自力でデータドリブンマーケティングを回していくことを最大限サポートしてくれるものとして紹介しました。また,本シリーズにおいてはトレジャーデータも活用している Marketo をベースに話を進めています。

さて今回は1つのイベント・キャンペーンについて,Marketo でどのようにワークフローを作っていくかについてお話します。前回マーケティングのプロモーション活動としていくつかリストアップしましたが,

  • メールマーケティング
  • ランディングページ分析
  • キャンペーン管理
  • ソーシャルマーケティング
  • プレスリリース管理
  • マーケティング効果検証

これらのプロモーションは全て Marketo の Asset という概念でモジュール化されていることについても言及します。

事例:HPからの資料ダウンロード

トレジャーデータの公式HPには「資料ダウンロード」ボタンが設置されています。これを一つのキャンペーンとみなし,資料請求までのワークフローを組み立てていくことで, 資料請求のあったお客様に対して, 適切なタイミングで適切なコンタクトが取れるよう調整を図っています。

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「プログラム」という概念について

Marketo では,一つのイベントやキャンペーンを「プログラム」と呼び,このプログラム下に様々なアクションを設定していきます。

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Marketo では左サイドバーの「マーケティング活動」ツリーで,全てのマーケティング施策を階層構造を持って管理しています。上の図は,今回適切な場所にプログラム:「JP Download Corporate Overview」を作成した図です。

プログラムは,複製が可能になっていて,過去行ったプログラムを今回丸ごと移植するといったことが出来ます。メールやランディングページを汎用可能なテンプレートとして一度作ってしまえば,次回以降再利用が可能になります。

「Local Assets」という概念について

プログラム:「JP Download Corporate Overview」のすぐ配下に置かれるのがこの「Local Assets」です。この「Local Assets 」以下に「Campaign」や「Email」,「Forms」,「Landing Page」などの「アセット(冒頭で挙げたプロモーション活動)」を置いていきます。

Landing Page Asset

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「資料ダウンロード」が押されると,上のようなフォーム入力画面が表示されます。まずはこのランディングページを作成する必要がありますね。Local Assets 以下の「Landing Page」ディレクトリの中にランディングページを作成しましょう。

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ここにランディングページを作成します。

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ランディングページ作成に,HTML/CSS の深い知識は必要はありません。Marketo が用意してくれた機能ボタンを切り貼りしていくだけで作成出来てしまいます。上の図の右サイドバーが選択可能な機能ボタンを表示しています。

Forms Asset

このランディングページでは,メールアドレスなどの情報を記入してもらうフォームを利用しています。このフォームは「Local Asset」以下の,「Langing Page」とは別の「Forms」フォルダに作成します。

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フォームの作成も上の図のように簡単に作成できます。

ここまでで,やっと「資料ダウンロード」ボタンを持ったページが機能する事になりましたね。ランディングページに来た人は「資料ダウンロード」ボタンを押し,表示されたランディングページにフォームを正しく記入して「送信」ボタンが押すことで資料請求が完結します。

Campaign Asset

「送信ボタン」が押された時のアクションを記述するのが「キャンペーンアクション」です。「Local Assets」 以下に「Campaign」フォルダを作り,その中に今回のキャンペーンアクションを作ります。前回の記事でアクションの設定について解説しましたが,再度説明します。

1. 「スマートリスト」でトリガーを指定します。今回は「フォームが記入され,送信ボタンが押された時」となるように設定します。

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2. 「フロー」でトリガーが引かれたときのアクションをシーケンシャルに記述していきます。

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上の図でアクションを順に見ていきましょう。

Emails Asset

「1 - メールの送信」では,送信ボタンが押されると資料リンクが記載されたメールが自動で配送される設定になっています。そのメールフォームも「Landing Page」と同じように簡単に作成することができます。

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↑ Local Assets 以下に「Emails」フォルダを作り,メールフォーム「Email - JP Download Corporate Overview w/ Download Link」を追加します。

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今回は上図のようなメール文面を作成しました。ここの「ダウンロード」リンクが押されると,資料がダウンロードされるようになっています。

コンテンツの置き場所について

ところで,PDF 資料や動画などのコンテンツはどこに置かれているのでしょうか?今まで一貫して「Local Asset」以下にメールもランディングページもフォームも管理してきました。

しかし,ことコンテンツに関しては全く別の場所に置くことになります。Marketo には「デザインスタジオ」というページがあり,ここがコンテンツの置き場となっています。

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資料や動画は様々なイベント・キャンペーンで使い回される事が多いので,独立しているわけですね。また,外部サービスとのデータ連携されるとなると,この「デザインスタジオ」がデータベース的な役割を果たし,外からの適切なデータへのアクセスがAPIなどで統一的に行えるようになっています。

List Asset

次に「3 - リストに追加」ですが,資料がダウンロードされた際に,フォームに入力した氏名やメールアドレスなどの情報がこのリストに追加するように設定しています。

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Marketo の良い所は,このリストで現在のプログラムのリード情報をリアルタイムに見る事にあります。見込みのある顧客を見つけたらすぐにコンタクトをとる, といったアクションも可能になります。

スコア

「4,5 - スコアの変更」:Marketo では顧客の様々な軸でのモチベーションを数値化した「スコア」という重要な概念を導入しています。様々な「キャンペーンアクション」の中で,適切なスコアに適切な値を付与することでリードを統合管理します。また,このスコアは任意に複数定義できます。このスコア群から顧客をセグメント分類することができれば,そのセグメントに絞った効果的な戦略が作れます。もちろんこの「セグメント分類」と「それに対するアクション」「アクション後の結果評価」の部分でデータ分析者の技量が問われることは言うまでもありませんね。

Salesforce との同期

Marketo ではリード情報を CRM の Salesforce と同期する事が可能です。これはとてもとても強力な機能で,外部の様々なリード情報が統合される事でマーケティングの効果効率が2倍にも3倍にしていけるのです。ここについては別途お話する機会を設けることにします。

終わりに

今回は実際に一つのプログラムを回すための手順を詳説しました。その中で様々な Asset が登場しましたが,これが冒頭で述べた「プロモーション活動」に当たるものであることはご納得頂けたと思います。

これまでメール配信やランディングページ作成,資料請求を別個にして色んなツールを組み合わせて苦労されている人も少なくありません。Marketo では様々なプロモーション活動を一つのモジュール(アセット)と見なすことでプログラムの最初から最後を Marketo だけで完結させる事ができるのです。

本シリーズはまだまだ続きます。